溶解用フラックスとは、
下記に示す効果が
期待出来ます
効果 | 備考 |
---|---|
酸化防止 | 発生した酸化物を速やかに溶かし、流動性スラグで溶湯表面を一様に被覆。 また、木炭に代わる低S・低水分な被覆材による還元性雰囲気。 |
溶落時間の短縮 | 酸化物に覆われたスクラップは溶落時間が長い。そこで、フラックスにより表面酸化物を溶かし込む事により溶落時間を短縮する。 |
ノロ中の玉金減少 | 動性のあるノロを発生させる事により玉金の懸垂が少なく、地金成分も減少する |
炉壁へのノロ付着防止とハツリ作業の低減 | 添加元素の影響により炉壁にノロが付着しますが、フラックスを用いる事により、炉壁のノロを溶かし且つ炉壁にフラックスが浸透しハツリ作業が容易に行える |
不純物の除去 | 合金中の不純物を冶金化学的に優先的に除去させる |
脱ガス効果 | ブローホールの原因となる水素濃度を減少させる |
代表的なフラックスとその効果
効果 | フラックス | 備考 |
---|---|---|
酸化物の低減 |
|
|
脱ガス (脱水素) |
|
|
被覆材 (カバリング) |
|
|
脱不純物 |
|
|
炉洗い |
|
|
酸化物の
低減用フラックスの効果と注意点
酸化物の低減用フラックスの注意点としては、溶解中の酸化物量を減少させますが、同時に耐火物、酸化物ともに耐火物で出来ている事が殆どです。よって、フラックスを使用し過ぎると、炉壁も溶ける事があります。
しかし、上手にフラックスを使用する事により、ノロ発生量が抑えられかつ炉壁へノロが付着し難くなり、安定操業が可能となります。
下記は黄銅3種におけるフラックスの投入量・投入タイミングを変化させたノロ発生量のグラフです。
-
歩留向上による効果(10Ton溶解の場合)
(1.96-1.32)×430円/kg(平成23年1月電気銅・電気亜鉛価格)×10Ton(溶解量)=¥27,520
-
歩留以外に期待のもてる効果
炉壁のハツリ作業軽減+炉容積の維持+純銅洗い等の回数削減